女性の悩みで多いのが、鉄不足による貧血。
特に妊娠中は貧血になりやすい状態になっています。
様々なメディアや定期検診などで「積極的に鉄分を摂りましょう。」と言われても具体的な摂り方や正しい量など分からないことが多いですよね。
ここでは鉄不足によるリスクや摂取量、オススメレシピを紹介したいと思います。ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
鉄分とは?

鉄分はミネラルの一種で、体内に約3〜4gほど存在しています。その約70%は、赤血球のヘモグロビンの成分として利用されます。
残り約30%は、筋肉や肝臓、ひ臓、骨髄などに蓄えられて、必要に応じて血清中に放出されます。
赤血球、ヘモグロビン、血清という文字を見て、血液の正常な働きに重要な成分であるということを感じていただけるかと思います。
鉄分は胎児の成長にも、ママの体にも大変重要な栄養素です。
【鉄分】厚生労働省推奨摂取量
18~29(歳) | 30~49(歳) | |
---|---|---|
通常時 | 7.0 | 7.5 |
月経時 | 10.5 | 10.5 |
妊娠初期 | +2.5 | +2.5 |
妊娠中期・後期 | +15.0 | +15.0 |
授乳期 | +2.5 | +2.5 |
鉄の食事摂取基準(mg/日)
貧血とは、血液中のヘモグロビンが正常よりも少なくなった状態を言います。予防するためにはしっかり必要量の鉄分を摂ることが大切です。
代謝により、1日約1mgの鉄が失われますが、女性は月経があるためさらに0.5mgの鉄が失われます。より多くの鉄を意識して摂る必要があります。
特に妊娠中期.後期に摂取が必要です
妊娠中期や後期は赤ちゃんが大きく成長する時期なのでより多くの鉄分が必要になります。
初期は0.1mg程度だった受精卵が約10カ月で3000gにもなるのです。当然お母さんの身体には大きな負担がかかります。
妊娠中期から後期にかけて血液量は普段の約1.5倍になりますが、血液中の成分の量は変わりません。そのため血液量が増えても成分濃度が薄い状態になり、貧血を起こしやすくなるのです。
赤ちゃんの成長のためにもしっかり鉄分を補いましょう。
鉄分不足による体調不良
鉄分が不足すると、どのような体調不良が起きるのでしょうか?
一般的な症状をご紹介します。
- 疲れやすい
- 動悸
- 息切れ
- めまい
- 立ちくらみ
- 頭痛
- 情緒不安定
- 寝つきや目覚めが悪くなる
- 倦怠感
- むくみ
- 肩こり
- 冷え
胎児への影響としては胎児の低体重が考えられます。
妊娠初期
妊娠すると、身体の血液量が増えます。妊娠前から貧血気味の人は、妊娠初期から貧血を発症する事があります。
妊娠中期・後期
中期や後期になると赤ちゃんの成長のためにさらに血液循環量が増え母体の鉄分がより多く使われます。
この時貧血の傾向が強いお母さんから産まれた赤ちゃんは低体重児になりやすいというリスクがありますので気をつけるようにしましょう。
産後・授乳期
母乳を出すために血液が必要なことや分娩時の出血や出産の疲れにより貧血が起こります。母乳は血液から作られます。赤ちゃんのためにも貧血予防をしっかり行いましょう。
鉄分を多く含む食べ物
鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、含まれる食品や吸収率に違いがあります。
ヘム鉄
主に肉、魚等の動物性食品に含まれ、吸収率が15〜20%と高い。
- レバー
- 赤身肉
- 煮干し
- あさり
非ヘム鉄
主に野菜、大豆製品に含まれ、吸収率が2〜5%と低い。
- 納豆
- 豆腐
- 小松菜
- ほうれん草
- ひじき
【栄養士考案】鉄分たっぷりおすすめレシピ
牛肉とひじきのピーナツ炒め
牛肉:150g
ひじき(乾):5g
パプリカ:4/1個
インゲン:4本
ピーナツ:大1
ごま油:小1
塩胡椒:少々
(A)
だし汁:1/2カップ
醤油:大1
みりん:大1/2
ー作り方ー
1 鍋にAを煮立たせ、ひじきを煮る。
2 インゲンは軽くゆでるかレンジで柔らかくする。
3 フライパンにごま油を熱し、牛肉、パプリカ、刻んだピーナツを
炒め、最後に水気を切ったひじきとインゲンを加え、塩胡椒で味を
整えたら完成。
牛肉、ひじきで鉄分、パプリカでビタミンCを摂取でき、疲れやすい時期などにスタミナ満点のお手軽レシピです。
鶏肉のプルーン煮
鶏手羽元: 4本
生姜:少々
サラダ油:小2
プルーン:3個
(A)
水:200CC
醤油:大1
砂糖:小2
ー作り方ー
1. フライパンに油を温め、鶏肉の手羽元をこんがりと焼く。
2. プルーンを刻み、(A)を加え蓋をし、中火で15分煮る。
3. 蓋を開けよくタレを絡めたら完成。
プルーンにはほうれん草と同じくらい鉄分を含んでおり、さらに食物繊維も豊富な為、便秘対策にもなるレシピです!
+15mgを補うには?どのくらいの量を食べればいいの?
妊娠中期から後期に必要な鉄分摂取量は約21mg(18〜29歳)となります。これに対し国民栄養調査によると、日本人女性の一日の鉄分摂取平均量は6g/日となっていますので、約15mgほど不足していると考えられます。
この不足分の摂取方法として、鉄分の多い食材にレバーやほうれん草などが挙げられますが、毎日推奨量を食事から補おうとするととても難しいのです。
例えば豚レバーであれば、約85gで鉄分10mgが摂取できますが、毎日食べ続けるとビタミンAの過剰摂取につながる恐れがあります。
また、ほうれん草では10mg摂取するのに約550gも食べなければならずさらに非ヘム鉄のため、食べ合わせる物によっては吸収を阻害されてしまいます。
このように、毎日摂取量を摂ろうとすると、お金も労力もかかるため続かない可能性が高いのです。そのため、不足分はサプリメントで補給するなど、効率よく鉄分を取り入れることが大切です。
赤ちゃんとママの体のためにサプリメントも検討して見てください
貧血は多くの妊婦さんが経験することです。赤ちゃんの成長の為だけでなく、母乳や安全な出産のためにもしっかりと貧血を予防しましょう。
特に母乳育児を目指すとなるとさらに長期間鉄分が必要になりますので、常備菜を準備したり、サプリメントを活用すると良いでしょう。
ただし、同じものばかりに偏るのではなく、様々な食材をバランス良く取り入れるように心がけて下さいね。
当サイトおすすめの鉄分サプリメントをランキング形式でご紹介しています。ぜひサプリ選びの参考になさってください。

